【酒田一人旅】ぷるぷるのワンタンが主役!「ワンタンメンの満月 酒田本店」訪問記【酒田のラーメン】

満月 酒田本店 山形県

皆さん、突然ですがクイズです。

日本でラーメンの消費量が最も多い都市はどこでしょう?札幌?博多?東京?

正解は…なんと山形市なんです!

総務省の家計調査によると、山形市は3年連続でラーメン消費額日本一に輝いています。

2024年の年間消費額はなんと2万2389円。

2位の新潟市を大きく引き離しての圧勝です。

僕も最初は「え、山形が!?」と驚きましたが、実際に訪れてみると、その理由がよく分かりました。

山形県がラーメン王国である理由は諸説ありますが、面白いのは「米どころだからこそ外食では麺を食べたくなる」という説です。

普段から家で美味しいお米を食べているから、外では別のものを楽しみたい。

なるほど、これは説得力があります。

さらに山形のラーメン文化には独特の特徴があります。

蕎麦屋でもラーメンを提供する店が多いこと、来客時にラーメンを出前で取るおもてなし文化があること、そして夏には「冷やしラーメン」という独自のジャンルがあることなど、生活に深く根ざしたラーメン文化が息づいているのです。

山形県はラーメン天国だった!

山形のラーメン文化の魅力は、その多様性にあります。

「山形ラーメン」といっても、実は地域ごとに全く異なる個性的なラーメンが存在するのです。

・米沢ラーメン:細ちぢれ麺にあっさり醤油スープ。優しい味わい。

・赤湯ラーメン(南陽市):辛味噌がどん!と乗ったパンチ系。

・とりもつラーメン(新庄市):とりもつとあっさり鶏ガラスープが特徴。

・酒田のラーメン:魚介の旨みとワンタンが主役。

・冷やしラーメン(山形市):太めの麺にあっさりした醤油味で、スープには氷が。

他にもあるかもしれません。

そして今回訪問した酒田のラーメンには“ワンタン”という大きな個性があるのです。

酒田ラーメンの歴史と特徴

さて、本題の酒田のラーメンについてお話ししましょう。

酒田のラーメンの歴史は古く、なんと大正15年(1926年)に中国出身の店主が支那そば屋を開業したことに始まります。

もう100年近い歴史があるんですね。

酒田のラーメンには、他の地域にはない際立った特徴が3つあります。

第一の特徴は、芳醇な魚介系スープです。

煮干し、昆布、トビウオ(あご出汁)などの魚介出汁をベースに、豚骨や鶏ガラの動物系出汁を組み合わせた透明な醤油スープ。

酒田は港町ですから、日本海の恵みがラーメンにも活かされているんですね。

第二の特徴は、極薄のワンタンです。日本では他に例を見ないほど薄い皮で、ふわとろな食感が特徴。

新聞紙が透けて見えるほど薄いというのですから驚きです。

第三の特徴は、自家製麺率の高さです。

なんと酒田市内のラーメン店の約8割が自家製麺を使用しているとのこと。

関東が5〜10%なのに対し、酒田が80%というのは驚異的な数字です。

この麺へのこだわりこそが、酒田ラーメンの美味しさの秘密なのでしょう。

そして何より誇らしいのは、2023年に文化庁の「100年フード」に認定され、同年開催された「日本ご当地ラーメン総選挙」で見事全国1位に輝いたことです。

酒田のラーメンは、まさに「日本一のご当地ラーメン」なのです。

ちなみに酒田のラーメン店には「月系」と呼ばれる系譜があります。

「満月」「三日月軒」など、店名に「月」が含まれる店が多いのは、かつて日和山近くにあった「港月食堂」の流れを汲んでいるためだそうです。

「ワンタンメンの満月 酒田本店」へ!

さて今回訪れたのは、酒田のラーメンを代表する名店「ワンタンメンの満月 酒田本店」

地元の方はもちろん、県外からも「このワンタンを食べるためだけに来る」という人もいるほどの人気店です。

開店は午前11時。

僕が到着したのは開店15分前。

「一番乗りかな?」と思いきや、すでに先客が一人。

2番目でした。

さすが人気店、油断大敵。

お店の入口には受付用紙が置いてあり、そこに名前を書くだけで順番が取れるシステム。

名前を書いたら、わざわざ並ばなくてもOK。

これ、寒い冬の酒田では本当にありがたいですよね。

名物「ワンタンメン」を実食!

席に案内され、注文したのはもちろん人気No.1の「ワンタンメン」

注文からほどなくして丼が登場。

透明感のある黄金色のスープに、キラキラと光る極薄ワンタン。

そして麺は細ちぢれタイプで、酒田らしい品の良さを感じます。

まずスープをひと口。

煮干しの香りがふんわり広がり、鶏ガラのコクがしっかり下支え。

まるで日本海の潮風が口の中に吹き抜けるような、やさしく深い味わいです。

「これ、毎日でも飲めるな…」と思ったほど。

次に、主役のワンタン

レンゲでそっとすくい上げると、スープと一緒にとろりと流れ落ちそう。

ひと口頬張ると——

「あぁ…、飲めるワンタンだ」

肉の旨みと皮のとろけ具合が絶妙。

もはや噛むというより、吸う感じ。

そして自家製麺

中細の縮れ麺は、もちもちとした食感とコシのある歯ごたえ。

3〜4日間熟成させてから使用しているそうで、その手間が麺の味に表れています。

スープとの絡み具合も絶妙で、一口一口が至福の時間です。

ラーメンの町・酒田が誇る一杯

「ワンタンメンの満月 酒田本店」は、昭和35年(1960年)創業。

初代店主が「もっと軽く、もっと滑らかなワンタンを」と工夫を重ね、今の“極薄ワンタン”スタイルを完成させたといいます。

その後、地元に愛され続け、今では「酒田のラーメン=満月」と言われるほどの存在に。

酒田の街には他にも老舗ラーメン店が点在していますが、満月の魅力はなんといってもその「バランス」。

スープ・麺・ワンタンの三位一体が見事で、どこを取っても“優しいのに印象的”なのです。

まとめ:酒田市に来たら、絶対に食べるべし!

酒田市の「ワンタンメンの満月 酒田本店」は、まさに“究極の癒し系ラーメン”。

ワンタンは羽衣のようにふわり、スープは潮の香りのようにやさしく、麺は職人技が光るちぢれ麺。

山形の中でも特に繊細で、じんわり心に染みる一杯でした。

酒田のラーメンを知らずして、山形のラーメン文化は語れません。

ぜひ、寒い季節にふらっと日本海の風を感じながら、満月の暖簾をくぐってみてください。

きっとあなたも、ワンタンの沼から抜け出せなくなりますよ。

店舗情報

店名:ワンタンメンの満月 酒田本店

住所:山形県酒田市東中ノ口町2-1

営業時間:11:00〜16:30

定休日:火曜日(祝日の場合変更あり)

駐車場:あり(40台)

座席:50席

【酒田観光】時が止まったような美しさ!山居倉庫を歩く

酒田市といえば、「酒田のラーメン」も有名ですが、もう一つ外せないのが山居倉庫(さんきょそうこ)です。

明治26年に建てられた米保管倉庫で、なんと今でも現役!

NHKドラマのロケ地にも使われるなど、観光客に大人気のスポットです。

ケヤキ並木がまるで映画のワンシーン

倉庫の裏手には、ずらっと並ぶケヤキ並木。

木漏れ日のトンネルを歩くだけで、「あれ、私、時代劇のエキストラだったっけ?」という気分になります。

風に揺れる葉っぱの音が心地よく、つい深呼吸したくなる場所です。

インスタ映え間違いなしのフォトスポットでもあります。

米どころ・庄内のシンボル

もともと山居倉庫は、庄内米の集積地として建てられたもの。

今でもJA庄内みどりが使用していて、観光地でありながら「生きている倉庫」なのです。

建物の中には「酒田夢の倶楽(くら)」という土産物屋や、地元の銘菓・特産品を扱うショップもあり、「見て・食べて・買って」楽しめる三拍子そろったスポットです。

まとめ:酒田に来たら、まずここ!

山居倉庫は、酒田の歴史と美しさがギュッと詰まった場所。

ラーメンの前でも後でも、ちょっと寄り道するだけで旅の満足度がぐっと上がります。

ワンタンメンで満たしたお腹を抱えて、ゆっくり散歩してみてください。

100年以上前の空気を感じながら、酒田という町の“静かな誇り”に触れられます。

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