燕三条ラーメン紀行。
前回は燕市の超有名店「杭州飯店」を訪問。
今回は三条市の老舗「龍華亭(りゅうかてい)」を訪問しました!
「杭州飯店」は移動に少し時間を有するのに対し、「龍華亭」は新幹線が停まるJR燕三条駅から徒歩圏内。
アクセスのしやすさで、まず訪問すべき燕三条ラーメン店でしょう!
燕三条駅を出て、燕方向に少し歩き、「ゼビオ」のある十字路を左折。
するとほどなくして「龍華亭」の看板が見えてきました。
燕三条駅から歩いて5〜7分ほど、ちょうどいい距離感です。
龍華亭の特徴
その前に「燕三条ラーメン」がどのようなラーメンかを改めて一行で説明(詳しい説明は、上記の杭州飯店のブログをご参照ください)。
【煮干し出汁、極太麺の背脂醤油ラーメン】です。

そして龍華亭ですが、「燕三条系背脂ラーメン」の系譜に属する店として知られており、地元では根強い人気を誇るようです。
また、少し調べてみたところ、龍華亭は老舗「福来亭(ふくらいてい)」の流れをくむ店という説も複数のレビューで見られます。
例えば、福来亭から分かれたいわゆる “三条中華亭・いこい食堂・龍華亭” の兄弟店という関係性を語る人もいるようです。
ただし、公式に “創業何年” といった年次が明記されている資料は見つからず、「老舗の流れをくむ」という言葉が主な歴史の手がかり、というのが実際のところでしょう。
とはいえ、歴史を無理に脚色するよりは、お店の現場感を感じながら味わうほうが私は好きなので、そのあたりは軽く触れるにとどめます。
入店〜メニュー、そして “大油選択” への誘惑
龍華亭を訪問したのは昼過ぎ。
どちらかというと昼の部が終了するのに近いくらいの遅い時間帯。

ラッキーなことにすぐに入れました。
店内はこぢんまりとしていて、カウンター席とテーブル席、小上がり座敷席を備える構成。
席数は20席前後といったところでしょうか。
メニューは比較的シンプル。
「中華そば(中華そばがこの店での基本形)」を中心に、玉ねぎを加えた「玉ねぎ中華」、岩のりを乗せたもの、チャーシューメンなどのトッピング系が並びます。
そして、これは後で知ったのですが、背脂量を「普通・中油・大油」の3段階から選べる仕様になっていました(オーダー時に何も言わないと普通)。
何も知らなかった僕は「普通」のままで注文。
注文後、周囲の注文を聞いていると、「中油」や「大油」の声を聞いて「しまった」と思いました。
せっかく三条市まで来て本場の燕三条ラーメンを食べるのですから、背脂ギトギトの見た目が実に “燕三条系らしい” ラーメンを食べてみたかったものです。

ただ「大油」はスープ全体が背脂で隙間なく覆われるほどの油量なので、食べ慣れていない人だとお腹を壊すかも。
「中油」くらいがいいかな、と思いました。
着丼!中華そばをじっくり味わう
ほどなくして、チャッチャッという音とともに、私の前に 「中華そば」が運ばれてきました。

視覚的には比較的すっきりした佇まい。
背脂は表面にほんのり浮かぶ程度で、極端なギトギト感はありません。
まず、スープをひと口。
醤油をベースに、豚骨+煮干しあたりを効かせたコク深さがありつつも、しょっぱすぎず、適度に甘さを感じさせる後味。
背脂の甘みがほんのりプラスされて、やさしいコクが口中に広がります。
いわゆる「燕三条ラーメン」の風格を感じます(燕三条駅周辺のラーメン店群が競う名実の世界観ですね)。
麺は極太の平打ち縮れ麺。

もっちりと柔らかさも残しながら、スープをまといやすい。
コシというより「もっちり感」を重視した食感で、太さを活かしながらも食べやすいバランス。
具材は、刻み玉ねぎ、メンマ、チャーシューといった定番が端正に配置。
特に玉ねぎがスープの甘みとシャキッとした食感でアクセントになっていて、これは “玉ねぎ中華” を頼む客が多い理由もなんとなく理解できます。
丼の表面には背脂が少な目ですから、スープの湯気や香りがストレートに立ち上がってきます。
「ああ、これぞラーメンを食べてるぞ」という気分がじわっと湧いてきます。
ただ、心のどこかで「もう少し背脂を追加すればもっとパンチ効いた味になったかな?」という思いがちらちら(未練がましい男…)。
隣席では「中油」くらいの背脂を選んでいる人の丼が、表面ギトギトに光っていて、そちらがちょっと羨ましく見えたりもしました。
食べ進めて、後悔と満足の間で葛藤
食べ進めるにつれて、スープと麺の絡みが心地よく、玉ねぎがシャキシャキとアクセントを添え、口の中の調和が保たれていきます。
ただし、背脂が少なめだったせいか、途中から “もう少しコクや重み” を欲しがる自分が顔を出します。
食後、カウンター越しに厨房を見ていると、「チャッチャッ」という背脂を振る音のタイミング、寸法、量の調整など、職人的なオペレーションが見え隠れして、ちょっと感心。
こういう “見えない工夫” が店の味を支えているんだろうな、と感じました。
お会計を済ませて、店を出るときには満腹感と “もっと攻めてもよかった” という欲望が入り混じった軽い後悔が胸に残りました。
でも、後悔があるからこそまた来たくなるわけで、次回は勇気を出して「中油」あたりを頼んでみよう、という自分に小さな誓いをして店を後にしました。
総評と、燕三条ラーメン好きへのおすすめポイント
私の体験をもとにした率直な感想、および「龍華亭」が燕三条ラーメン好きにおすすめできる点を以下にまとめます。
長所・魅力点:
1.駅近の好立地:JR燕三条駅から徒歩圏内でアクセスしやすい。
2.燕三条系背脂ラーメンの風味とバランス:醤油+煮干しのコク、背脂の甘み、太麺のもっちり感が見事に調和していて、 “燕三条ラーメンらしさ” を堪能できる。
3.背脂量を選べる自由度:普通〜中油〜大油まで選択可能で、自分の体調や気分に合わせて調整できる。
4.メニューのわかりやすさ:トッピングのバリエーションはあるものの、主軸は中華そばでブレが小さい。
5.店の雰囲気:こぢんまりして親しみやすく、ラーメン店らしい活気と落ち着きのバランスあり。
気をつけたい点・改善要望:
・背脂が普通だと見た目やパンチが物足りなく感じる可能性あり。
もし “燕三条らしいギトギト感” を味わいたい人は、注文時に中油か大油を選ぶとよいでしょう。
・混雑時は待ちが発生することもありそうなので、ピークタイムを外すのが賢明。
・メニューがシンプルゆえ、ラーメン以外を重視する人には物足りないかもしれません。
おすすめ度(私的な尺度で)
燕三条ラーメンを初めて試すなら、龍華亭はぴったりの選択肢 だと思います。
「駅から近くて手軽に燕三条系背脂ラーメンを味わいたい」「背脂の加減を自分で調整したい」などのニーズに応えてくれます。
燕三条駅周辺のラーメン店の中でも、アクセス・味・雰囲気のバランスが良いという印象を持ちました。
また龍華亭を出た後、タクシーで別の場所へ移動したのですが、タクシーの女性運転手の方が「私、このお店(龍華亭)大好きなんですよ」とおっしゃっていました。
燕三条ラーメンを知り尽くした地元の方の強い推しは、このお店を勧める何よりもの大きな理由です。
旅行はもちろん、新潟の出張帰りなどにもぜひ寄ってみてください!



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